新人エンジニア必読!『電気エンジニア1年目の教科書』図解が最高!

新人必読!『電気エンジニア 1年目の教科書』 資格

はじめに

新卒や異動で電気系エンジニアの門を叩いたとき、最初に直面するのは「学校で習った理論と現場のギャップ」です。教科書上の回路図は理解できても、実際の制御盤の中にあるマグネットコンタクタやリレー、インバータがどう連動しているのか、そして万が一のトラブル時にどこからテスターを当てればいいのか、戸惑うのは当然のことでしょう。

実は、T係長がこの業界に入ったときには、これほど体系的にまとめられた便利な書籍はありませんでした。毎日現場に張り付き、図面とにらめっこしながら、「これはどういう意味ですか?」と先輩の機嫌を伺いつつ質問するしかない状況だったのです。でも、許されました。令和の今よりも、現場の時間の流れがずっと緩やかでしたから。

しかし、現代の新人エンジニアには、プラントや生産ライン、FAシステムといった仕事の密度がとても高い過酷な現場となっています。そんなところで戦うには、強力な武器が必要です。それがここで紹介する『[カラー図解]電気エンジニア1年目の教科書 ~電気系設備保全・生産技術の実務のための基本~』です。本書は、実務の入り口で立ち止まっている若手エンジニアや、機械担当ながら電気の知識を求められる技術者に向けて、現場で必須となる知識をカラー図解で視覚的に解説しています。エンジニアとして一生モノの基礎を固めるための、最良のガイドブックとT係長は確信しています。T係長と共に働く1年生にも発売後すぐに紹介しました。彼はとても気に入ったようで、机の上に今でも置いて「来年の新人に渡します」と言っていました。

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書籍の主な構成と、現場で役立つポイント

本書の最大の特徴は、理論の丸暗記ではなく「なぜその機器が必要なのか」「現場でどう使われるのか」という実用性に主眼を置いている点にあります。ここが、一般的な理論の解説にとどまっていたり、単結だけを記載していたりする、電気の専門書や電験対策の書籍と大きく異なるところであり、T係長が推している点です。

1. 電気設備の全体像と主要な機器の理解

受変電設備から末端の動力回路まで、プラントや工場における電気の流れを俯瞰できます。遮断器(ブレーカ)や電磁接触器、サーマルリレー、CTといった、制御盤を構成する主要な機器の役割と構造が、実物の写真や精密なイラストとともに解説されています。これにより、現場で盤を開けた際に「何が何だかわからない」という状態から最短で卒業できます。特にカタカナ用語ばかりで混乱しがちな初期段階において、写真と名称が一致するのは大きな助けになります。

T係長は最初に「CP入れてこい」と言われ、「CPだからサーキットプロテクタで・・・」みたいな感じで考えてたら、「これこれ!カタログみてりゃ分かるだろ」みたいな教えられ方してたので、最初によく見る機器だけでも写真と名前が一致できるようになっているととてもありががいなあと当時のことを思い出したものです。

2. シーケンス制御の基礎と配線図の読み方

プラントエンジニアやFAエンジニアにとって避けては通れないのがシーケンス制御です。本書では、接点の考え方から自己保持回路、インターロック回路といった基本回路を丁寧に紐解いています。特筆すべきは、一般的な4c接点のリレーの端子番号を図解し、「配線を具体的にどこに接続すればよいのか」を非常に分かりやすく解説している点です。

このような普段触れている人からすれば当たり前になってしまうことに関する「実務的な解説」は初めてこの分野の門を叩く人にとってはとてもありがたいものです。T係長も何もわからなかった当時を思い出しました。しばらく現場にいれば当たり前に分かることでも、最初はちんぷんかんぷんなのが普通です。現場という「絶対に失敗できない場所」に行く前に、こうした泥臭くも重要な基礎知識を落ち着いて固められるのは、非常に素晴らしいことです。配線図と実際の機器のつながりが視覚的に示されているため、頭の中で電気の流れをイメージする訓練に最適です。

3. 計測器の使い方と保守点検の基本

フィールドエンジニアに必須のスキルである「計測」についても詳しく触れられています。テスターやクランプメータ、絶縁抵抗計(メガー)の正しい使い方や、そしてそれらを使ってどのように異常を判断するのかというプロセスは、安全作業の観点からも極めて重要です。

T係長自身の話をすれば、駆け出しの頃は制御盤の配線作業ばかりを担当していたため、火を入れた後(電源投入後)の計測については知らないことが多く、現場で先輩たちにこっぴどくどやされた苦い経験があります。「そんなことも知らないのか」と言われる前に、この書籍があればもっとスムーズに現場に入れたのに……と、今の新人の方々を少し羨ましく思いますね。

4. モータとインバータの制御

生産現場の動力を担う三相誘導電動機の仕組みや、回転速度を制御するインバータの基礎知識も網羅されています。現場で先輩に「インバータのパラメータを確認しておけ」と言われた際、何をチェックすべきかのヒントが凝縮されています。

例えば、周波数設定(速度)がどうなっているか、加速・減速時間のセッティングは適切か、あるいは過電流などの保護機能が働いていないか。こうした「確認すべきポイント」の勘所を掴めるようになります。初めて見ると、インバータパラメータなんて何百項目もありますので、一通り取説を読むだけで何日もかかってしまいます。基本的な重要ポイントに絞って、最初に見通しを示してもらえるのは非常にありがたいのです。私たちエンジニアは「ゴール」に向かって知識を整理する思考の癖がある場合が多いと感じています。そういう性向の方にはハマる書籍だと思います。

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現場エンジニアが語る、本書の真価

実際にこの本を読み、また周囲のエンジニアと意見を交わして感じるのは、やはり「カラー図解の圧倒的な分かりやすさ」です。白黒の専門書が多い中で、フルカラーであることのメリットは計り知れません。配線の色分けや、スイッチ内部の接点が動くイメージ、火花(アーク)が発生する様子などが直感的に理解できるため、活字だらけの解説に拒否反応がある人でも挫折することなく読み進められます。

また、「実務に即している」点もT係長の周囲のエンジニアから高く評価されています。大学で習うような難しい理論は一旦置いておき、「明日から現場でテスターを当てるために必要な知識」が厳選されているからです。「自動車のエンジンの仕組みは知らなくても、運転はできる状態」に導いてくれます。ある程度、仕事が回せるようになって、自動車のエンジンの仕組みが知りたくなったら自分で踏み出せばよいのです。まずは、第一歩をスムーズに出させてくれるのが本書です。

確かに、中級者以上の層から見れば、高度なPLCプログラミングや複雑な電力系統解析についての記述が無い点に関しては物足りなく感じるかもしれません。しかし、これは「1年目の教科書」というコンセプトにおいて、むしろ情報の取捨選択が適切になされている証拠です。背伸びをせず、まずは足元の土台を強固にすることに特化した、潔い構成と言えます。


学びを凝縮するための読みこなし方

本書を単なる読み物として終わらせないためには、現場の「実物」と照らし合わせる作業が不可欠です。 例えば、本書で「電磁接触器の構造」を学んだその日に、実際の工場の制御盤を確認してみてください。補助接点がどこにあるのか、配線がどのように端子台に集まっているのかを自分の目で見ることで、知識は本当の意味での「経験」へと変わります。ここの配線は楽だ、この配線はやりづらい、そんな実感を伴った理解が、エンジニアとしてあなたを格段にレベルアップさせてくれます!

また、あなたがプラントエンジニアであれば、単線結線図(スケルトン図)やP&ID(計装・制御システム図)と本書の解説を比較するのも有効です。システム全体の中で、自分が担当している設備や機器がどのような位置づけにあるのかを理解する手助けになります。


こんな人には適さない

一方で、すでに数多くの盤設計や現場試運転をこなしてきたベテラン設計者や熟練の技術者にとっては、本書は物足りなく感じられるはずです。長年図面を引き、複雑なインターロック回路や大規模な受変電設備を熟知している層が求めるのは、JIS規格や内線規程に基づいた厳密な設計指針や、短絡電流計算といった高度な数理的アプローチでしょう。本書はあくまで「現場の機器がどう動くか」を直感的に理解させることに特化しているため、理論の深掘りや特殊な計算手法を期待して手に取ると、肩透かしを食らう可能性が高いと言えます。

また、最新のネットワーク構築やPLC(プログラマブルロジックコントローラ)の高度なプログラミング、モーション制御といったFAの応用技術を学びたい方にも不向きです。CC-LinkやEtherCATなどのフィールドネットワークの設定や、構造化テキスト(ST言語)による複雑なアルゴリズムの構築といった、一歩進んだエンジニアリングスキルについては、本書の範囲外となっています。実務でバリバリとプログラムを組み、タッチパネルの画面構成まで完結できるレベルのエンジニアであれば、メーカーが発行する詳細なマニュアルや、より専門特化した技術解説書を当たるべきです。

結論として、本書は「自分のスキルアップ」のために買う本ではなく、ベテランが「新人を教育する手間を省くため」のツールとして活用するのが正解です。私たちが当たり前だと思っているリレーの端子配列や、テスターの当て方といった基礎を、一から言葉で説明するのは意外と時間がかかるものです。自分が苦労して覚えた現場の勘を教え込む代わりに、「まずはこの本を読んでイメージを掴んでおけ」と渡す。それこそが、酸いも甘いも噛み分けた熟練エンジニアにとっての、最も賢い本書の使い道だと言えるでしょう。


まとめ

電気エンジニアの世界は、広大で奥深いものです。最新のDX(デジタルトランスフォーメーション)やスマートファクトリーといった技術も、すべてはこの本に書かれているような「泥臭い電気の基礎」の上に成り立っています。

『[カラー図解]電気エンジニア1年目の教科書』は、迷いやすい現場という戦場で、この分野に初めて足を踏み入れた電気エンジニアが進むべき方向を指し示す「地図」になってくれるはずです。これからプラント、フィールド、FAの世界でプロを目指す新人の皆さんに、自信を持ってT係長はおすすめします。

この記事を書いた人
T係長

30歳で制御設計の世界に飛び込み、未経験から10年以上にわたり、プラント設備の制御設計・更新・改造案件に携わってきました。これまで100件を超える現場経験を通じて、設計図面から制御盤、シーケンス制御、保護協調まで幅広い電気技術を磨いてきました。
保有資格は「第二種・第三種電気主任技術者」「第二種電気工事士」「基本情報技術者」。資格の枠にとらわれず、現場で困っている人を助けられる技術者であることを大切にしています。
このブログ「誠電気設計」では、初心者や若手エンジニアの方にもわかりやすく、実務に役立つ知識を共有しています。学びを通じて、読者とともに成長し続けることを目指しています。

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