電験受験者必見!「図説 %Z法と対称座標法の入門」は二種挑戦者におすすめの理由

%Z法と対称座標法の入門 最良参考書紹介! 資格

はじめに

電験三種を学習中の方や、すでに合格し次の二種を目指す方にとって、参考書選びは大きな課題です。特に電験二種の「電力・管理」で括られる、電力系統分野の計算手法は難解であり、どの本を選ぶかで理解度に大きな差が生じます。本記事では、柴崎誠氏の著書「図説 %Z法と対称座標法の入門」について、その特徴と、三種受験者と二種受験者での適性の違いを整理します。T係長自身も、この本に出合っていなければ、電験二種の合格はあり得なかったと確信しています。しかし、出会う時期が違えば、電験を諦めるきっかけとなっていた可能性もあります。この記事では、どのタイミングで、どう利用すればもっとも効果が高くなるかを解説します。

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本書の概要

本書は、電力系統の解析に欠かせない「%Z法」と「対称座標法」を体系的に解説した一冊です。変圧器や送電線のインピーダンスを基準容量で扱う%Z法、一線地絡や二相短絡などの故障計算に必須となる対称座標法を中心に、基礎から応用、実務での利用例まで幅広くカバーしています。特に図を豊富に用いて、誤解しやすい箇所を丁寧に解説している点が大きな特長です。この手の専門書には珍しく、途中計算をあまり省略せずに書いてくれている点も初学者にはありがたいです。

書籍基本情報

項目内容
書名図説 %Z法と対称座標法の入門:基礎から応用まで徹底解説
著者柴崎 誠(しばざき まこと)
出版社オーム社
発売日2018年4月25日
定価(本体+税)下記リンクよりご確認ください
判型A5 判
ページ数296ページ
ISBNISBN-13: 978-4-274-50690-1
ISBN-10: 4274506908

三種受験者にとっての難しさ

電験三種では、電力分野で%Zの基礎や簡単な故障電流計算が出題されます。しかし、対称座標法は出題範囲に含まれていません。そのため、本書を最初から読み込もうとすると、数学的背景や三相交流のベクトル処理に戸惑う可能性が非常に高いです。特に「正相・逆相・零相」の概念や複素数演算に慣れていない場合、途中で挫折しやすい内容といえます。三種合格を目指す段階では、本書をメイン教材とするのは厳しいでしょう。とは言え、高校時代に理系で学び、複素数計算とベクトルを一通り偏差値55以上の大学受験レベルまで取り組んだ方で、「理論」を80点以上で合格できる実力があれば、特に苦労せずに読みこなすことができるはずです。


二種受験者にとっての利点

一方で電験二種では、系統解析や一線地絡や二相短絡などの計算の理解が不可欠です。試験問題でも、対称座標法を前提とした解法や、%Zを使った短絡電流の計算が頻繁に登場します。このとき本書の図解や解説は非常に有効で、単なる数式の暗記にとどまらず、理論的背景をしっかり押さえる助けとなります。特に「なぜ基準容量を統一するのか」、「どのように零相回路を構成するのか」といった疑問を解消できる点は、二種受験者にとって大きな強みとなります。

前述のとおり、複素数計算(四則演算レベル)と二次元ベクトルの図示が一通り分からなければ、本書を有効活用するのは非常に困難と言わざるを得ません。自信のない方は、基本的な高校数学の参考書で一度勉強をすることをおススメします。

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メリット

本書の最大のメリットは、図をふんだんに用いた解説によって、抽象的で理解しづらい理論を具体的にイメージできる点にあります。%Z法や対称座標法は、多くの受験者が数式だけで学ぶと難解に感じる分野ですが、図と合わせて学ぶことで概念が頭に入りやすくなります。また、基礎から応用まで段階的に展開されているため、最初は簡単な電力計算から始まり、徐々に故障電流や零相電流の扱いといった高度な応用に進んでいける構成になっています。

さらに、実務における利用例も紹介されているため、単に試験合格のための暗記にとどまらず、知識を実際の電力設備設計や解析に活かせる力を養えるのも魅力です。そして、著者が講義経験から誤解されやすい箇所を意識して説明しているため、独学者が疑問を抱きやすい部分にもしっかりフォローが入っているのも安心できる点です。このように、理解しにくい分野を体系的かつ実用的に学べる点が、本書の大きな利点といえます。

デメリット

しかし一方で、デメリットも存在します。まず、三種受験者にとっては内容が難解すぎる点です。特に「対称座標法」は三種試験では扱われないため、学習の優先順位としては高くなく、基礎が固まっていない段階で手を出すと挫折の原因となります。また、複素数演算や三相交流理論に対する理解を前提としているため、数学的素養や電気理論の下地が不足している場合は、説明が十分に活かせません。さらに、内容には実務を意識した記述も多く、電験試験の範囲だけを効率よく学びたい人には冗長と感じられる部分もあるでしょう。加えて、ページ数に対して価格が高めであるため、まずは基礎書を押さえたうえで取り組むのが望ましい本です。加えて出版が2018年とやや古く、再生可能エネルギーや最新の系統事情に直結する部分は扱われていない点にも注意しておきましょう。このように、本書は二種以上を目指す段階でこそ真価を発揮する内容であり、三種学習中に選ぶにはやや荷が重い参考書といえるでしょう。しかし、理論的な理解を大いに手助けしてくれる、まさに電気系エンジニアの基本書と言えるでしょう。


どのタイミングで、どう活用するべきか

本書を使い始めるおススメは、電験三種合格後、電験二種受験の段階です。基礎理論をある程度固めたうえで読み進めると、図と数式が結びつき、理解が飛躍的に深まります。T係長自身、電験三種合格後、二次試験対策の電力・管理を行う時に読み始めました(電験二種取得後も時折読み直しています)。では、この書籍をどのタイミングで、どのように活用すれば、最大の効果を得られるのでしょうか。

一次試験への理解度を深める

電験二種一次試験では、三種で学んだ基礎知識がより深く、広範に問われます。特に、理論や電力、機械科目では、より複雑な送電系統の計算問題や、故障解析に関する問題が出題されます。「%Z法」は、まさにこの分野の基礎を固めるために不可欠なツールです。

三種では、シンプルな回路や単相・三相平衡回路が中心でしたが、二種では不平衡負荷や短絡事故といった、より実践的な系統事故の計算が頻繁に出題されます。ここで活躍するのが「対称座標法」です。この手法を学ぶことで、一見複雑に見える不平衡現象を、正相・逆相・零相の各成分に分解してシンプルに扱うことができるようになります。

書籍の「図説」という特徴は、この段階で非常に大きな意味を持ちます。抽象的な数式だけでは理解しにくい、各成分が持つ物理的な意味や、系統内の電流の流れを図解で確認することで、単なる計算テクニックの習得に留まらず、根本的な理解が深まります。これにより、応用問題にも柔軟に対応できる力が養われます。三種の知識を土台として、一次試験の範囲を網羅的に深く理解するために、本書を読み進めるのが良いでしょう。


二次試験の「武器」として磨き上げる

電験二種の最大の難関は、記述式の二次試験です。ここでは、単に正解を導き出すだけでなく、論理的な思考プロセスや計算の過程を明確に記述する力が求められます。一次試験で培った%Z法と対称座標法の知識は、この二次試験でこそ真価を発揮します。

特に電力・管理科目では、短絡電流や地絡電流の計算問題が頻繁に出題されます。T係長の受験時も、対称座標法を用いた一線地絡電流の解析がテーマの出題がありました。これらの問題は、複数の電力設備が複雑に絡み合う系統で発生するため、%Z法や対称座標法なしには解くことが非常に困難です。本書で学んだ計算手法を駆使することで、これらの難問を効率的かつ正確に解くことができるようになります。

また、二次試験では、与えられた条件に応じて、どの手法を使えば最も効率的かを判断する能力も試されます。本書で様々な例題を解くことは、この判断力を養う上で非常に有効です。単に計算手順を覚えるだけでなく、その背景にある理論を深く理解しているかどうかが、合否を分けるポイントとなります。三種合格という基礎があるからこそ、本書を通じて高度な計算スキルを身につけ、二次試験の記述問題で合格点を掴み取ることができるのです。

この書籍は、皆さんが一次試験の壁を越え、二次試験という最終目標に向かうための羅針盤となるでしょう。単なる知識の補充ではなく、電験二種という難関を突破するための「武器」を磨き上げるという意識で、ぜひ本書を活用してください。あなたの努力は必ず報われます。

「図説 %Z法と対称座標法の入門:基礎から応用まで徹底解説」は電気エンジニア必読の書籍だとT係長は考えています。ぜひご覧になってください。


まとめ

「図説 %Z法と対称座標法の入門」は、電験三種受験者が安易に手を出してしまうと挫折の原因になりかねない、難易度の高い専門書です。しかし、その一方で、電験二種を目指す受験者にとっては、合格への道筋を大きく切り開いてくれる貴重な一冊と言えます。

三種合格後の皆さんには、この書籍を「知識を深めるためのパートナー」として活用することをおすすめします。一次試験では、複雑な系統解析問題を論理的に解くための土台を固め、二次試験では、記述式の難問を突破するための強力な武器として、この本で培った知識とスキルが真価を発揮します。

%Z法と対称座標法は、ただの計算テクニックではありません。その理論的背景を深く理解することで、電力系統という複雑なシステムを正確に把握する力が養われます。本書の丁寧な図解と解説は、その理解を飛躍的に高めてくれるでしょう。電験二種合格という目標に向けて、この本を最大限に活用し、あなたの技術者としてのステップアップを加速させてください。

この記事を書いた人
T係長

30歳で制御設計の世界に飛び込み、未経験から10年以上にわたり、プラント設備の制御設計・更新・改造案件に携わってきました。これまで100件を超える現場経験を通じて、設計図面から制御盤、シーケンス制御、保護協調まで幅広い電気技術を磨いてきました。
保有資格は「第二種・第三種電気主任技術者」「第二種電気工事士」「基本情報技術者」。資格の枠にとらわれず、現場で困っている人を助けられる技術者であることを大切にしています。
このブログ「誠電気設計」では、初心者や若手エンジニアの方にもわかりやすく、実務に役立つ知識を共有しています。学びを通じて、読者とともに成長し続けることを目指しています。

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